審査の甘い法人カードランキング。起業直後でも、赤字決算でも、税金未納でも、審査に通る法人カードはどれだ?

目次

「法人カードの審査に落ちた。」という経営者は、かなりの数います。実際に私も会社設立直後に申し込んだ法人カードは、2社審査落ちしています。個人のクレジットカードと比較して、法人カードの審査が厳しいのは事実です。では、その厳しい法人カード審査の中でも、、審査に通りやすい法人カードはどれになるのでしょうか?今回は審査の甘い法人カードランキングで紹介します。

法人カード審査が厳しい理由

法人カードの審査が個人向けのクレジットカード審査と比較して、審査が厳しくなる理由は

個人よりも、法人が倒産したときの影響が大きい

からです。

法人カードも、契約主体は、法人ではなく、個人(会社経営者・個人事業主)になります。

しかし、会社が倒産してしまった場合、経営者も借金返済の目途が立たず、自己破産してしまうケースがあるのです。自己破産されてしまえば、カード会社には「貸し倒れ損失」が発生してしまいます。

個人のクレジットカードの場合は

基本的には会社員がほとんどですので、会社員は会社をクビになったとしても、借金が発生するわけではないため、別の会社に転職しても、フリーランスで働いても、クレジットカードの1カ月分、2カ月分ぐらいは払えるのです。

貸し倒れリスクが「個人向けのクレジットカード」よりも「法人カード」の方が大きいために

「法人カード」の審査は「個人向けのクレジットカード」よりも厳しい

ことになるのです。

法人カードを提供しているクレジットカード会社は、契約相手である個人の審査はもちろんですが、会社の経営状態の審査もしなければなりません。

結果的に

  • 起業間もない
  • 売上が小さい
  • 赤字決算

会社は、法人カード審査に落ちてしまうのです。

ただし、すべての法人カードが審査が厳しいわけではありません。

法人の経費利用の方が、個人のプライベート利用よりも、利用額が大きくなるケースが多いため、「貸し倒れリスク」が大きいというデメリットがある反面、「利用額が大きいので決済手数料収入も大きい」というメリットがあるのです。

では、実体験も含めて、審査の甘い法人クレジットカードを紹介していきます。

審査の甘い法人カードの特徴

その1.クレジットカード会社によって審査が異なる

審査の厳しいクレジットカード会社

  • 三井住友カード
  • ダイナースクラブ(三井住友信託トラストクラブ)

などのクレジットカード会社の法人カードは、「審査が厳しい」傾向が強いです。

一方で審査の甘いクレジットカード会社は

  • オリコカード(オリエントコーポレーション)
  • ライフカード
  • クレディセゾン
  • その他小規模なクレジットカード会社

「審査が甘い」傾向が強いです。

一概に企業規模というわけではありませんが、大手のクレジットカード会社の方が審査が厳しい傾向が強いため、「審査の甘さ」を重視するのであれば、上記のクレジットカード会社やマイナーなクレジットカード会社の法人カードを選ぶことをおすすめします。

その2.経営者1名向けの法人カードは審査が甘い

法人カードには

  1. 社員に追加カードを多く発行すること前提の法人カード
  2. 追加カードを社員に発行できず(もしくは数枚のみ可能)、経営者のみが利用することが前提の法人カード

の2種類の法人カードが存在します。

三井住友カードの場合

  • 三井住友ビジネスカード → 審査が厳しい
  • 三井住友ビジネスカード for Owners → 審査が甘い
社員へ追加カードを発行する必要がない方は、経営者、個人事業主向けの法人カードを選ぶと審査が通りやすいです。

その3.新しい法人カードは審査が甘い

法人カードは、どんどん新しいカードが出てきています。

社員が副業したり、ITサービスの普及に伴い、起業する方も増えているからです。

比較的新しく登場した法人カードは、上記の「個人事業主」「社員数数名の小規模事業者」「起業間もない方」をターゲットに作られているのです。

「個人事業主」「社員数数名の小規模事業者」「起業間もない方」は、今までの法人カード審査では、落ちるケースが多い方ですが、これらの新しい法人カードは、審査に通るように審査基準が設計されているのです。

特徴としては

  • 新しい法人カード
  • 申込に登記簿謄本、決算書不要
  • 数日でのスピード発行
  • 起業直後の方、フリーランスの方、個人事業主の方向けとウェブサイトに記載されている

などがあります。

審査の甘さを重視するのであれば、比較的新しく登場した法人カード、起業直後の方向けと明記している法人カードを選びましょう。

その4.外資系クレジットカード会社の法人カードは審査が甘い

意外かもしれませんが

  • アメリカン・エキスプレス
  • ダイナースクラブ
  • ラグジュアリーカード

など、年会費が高額の外資系クレジットカード会社の法人カードの方が審査が甘い設計となっています。

なぜなら、

高額な年会費収入があるため、貸し倒れリスクが高い人に発行しても、限度額さえ抑えておけば、貸し倒れリスクよりも年会費収入のメリットの方が大きいからです。

そのため、年会費が高額の外資系クレジットカード会社の法人カードは、審査が甘い反面、発行して半年間は、限度額が30万円~50万円と低額に設定されるものなのです。

あえて、外資系クレジットカード会社の法人カードを選ぶというのも、審査を通す賢い方法と言えます。

 

審査の甘い法人カードランキング

1位:ライフカードビジネスデポジット(法人カード)/ゴールドカード

国際ブランドMastercard®
初年度年会費(税込)11,000円
2年目~年会費(税込)11,000円
年会費優遇条件限度額(極度額)で年会費が変動
極度額:30万~100万円→10,000円
極度額:110万~200万円→20,000円
極度額:210万~500万円→40,000円
極度額:510万~1000万円→60,000円
極度額:1010万円~→80,000円
ポイント還元率/基本0.50%
ポイント還元率/上限0.50%
ポイント倍増方法-
-

審査の甘い理由

ライフカードビジネスデポジット(法人カード)/ゴールドカードは、デポジット型のクレジットカードです。先に入金して、その入金した金額の範囲内で限度額が決まってくる仕組みとなっています。先に入金した保証金(デポジット)の範囲内で利用するため、クレジットカード会社の立替が不要になります。「立替が要らない」ということは、貸し倒れリスクがないのですから、「審査が要らない」のと同じなのです。

審査が甘いというレベルではなく、審査がない法人カードと考えて良いでしょう。※反社チェックなど返済能力とは関係のない審査はあります。

1位:EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)

国際ブランドVisa,Mastercard®
初年度年会費(税込)0円
2年目~年会費(税込)2,200円
年会費優遇条件-
ポイント還元率/基本0.50%
ポイント還元率/上限1.10%
ポイント倍増方法●クラステージ
200万円利用・翌年:2倍
●法人カード
翌年:+20%
-

審査の甘い理由

実際、筆者が起業間もないころに審査が通った法人カードです。起業直後に法人口座を開設すると同時に、法人カードの作ろうとしたのですが、あえなく審査落ちしてしまって、そのときの取引先に相談したところ「オリコさんなら審査通るみたいですよ。」とアドバイスをいただき、作ったのがこの法人カードです。

無事、法人カードの審査も通りましたし、限度額も200万円を設定してもらえたので、6期目を迎えた現在も、愛用している法人カードとなっています。

3位:ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)/一般カード

国際ブランドVisa,Mastercard®,JCB
初年度年会費(税込)0円
2年目~年会費(税込)0円
年会費優遇条件-
ポイント還元率/基本0.00%
ポイント還元率/上限0.50%
ポイント倍増方法-
-

審査の甘い理由

「ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)/一般カード」はわかりやすく、ウェブサイト上にも

  • 決算書不要!審査書類は本人確認書類のみ
  • 会社設立・開業すぐでも申込OK
  • フリーランス・副業の方にもおすすめ

と書かれています。

当然、「審査が甘い」ことを遠回しにアピールしています。

「ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)/一般カード」の審査が甘い理由はほかにもあります。

ポイント還元率:0.5%

なので

決済手数料を顧客に還元しない

のです。

顧客目線では、ポイントが貯まりにくいというデメリットがあるものの

決済手数料収入が顧客に還元しない分、増えるので、許容できる貸し倒れリスクも大きくなる = 審査が甘くなる

というメリットにもなるのです。

「ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)/一般カード」は、ポイント還元率が低いことを我慢すれば、審査の甘い法人カードであり、年会費永年無料で取得できるため、起業間もない会社の経営者におすすめできる法人カードとなっています。

4位.セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード

国際ブランドAMEX(アメックス)
初年度年会費(税込)0円
2年目~年会費(税込)1,100円
年会費優遇条件1年間に1回以上のご利用で次年度年会費無料
ポイント還元率/基本0.50%
ポイント還元率/上限2.00%
ポイント倍増方法●海外利用
海外利用:2倍

●QUICQPay加盟店
QUICQPay加盟店利用:6倍
【新規入会】最大1,600ポイント(8,000円相当)※こちらのページからアクセスしたクレディセゾン公式ページに記載のないキャンペーンは対象外となります。あらかじめご了承ください。

審査の甘い理由

「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」は、法人のみが利用できる「法人カード」ではなく、「個人向けのクレジットカードだけど引き落とし口座に法人口座も設定できるよ。」というスタンスの法人カードです。

法人カードの特別な審査があるわけではなく、個人向けのクレジットカードと同じ審査になってくるのです。

個人向けのクレジットカードよりも、法人カードの方が審査が厳しいのですが・・・

「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」に関しては、個人向けのクレジットカード用の審査基準ですので、他の法人カードよりは審査が甘くなっているのです。

上記の法人カードでも、審査が通らない方におすすめできる法人カードです。

5位.P-one Business MasterCard

P-one Business MasterCard

【年会費特典】初年度年会費無料
国際ブランドMastercard®
初年度年会費(税込)0円
2年目~年会費(税込)2,200円
年会費優遇条件カードの利用があれば翌年度も年会費無料
ポイント還元率/基本0.60%
ポイント還元率/上限0.60%
ポイント倍増方法-
-

審査の甘い理由

「P-one Business MasterCard」を発行するポケットカードは、オリコカードと同じで、クレジットカード会社の知名度としては、三井住友カード、三菱UFJニコス、ジェーシービーと比較すると低い状態になります。

審査に問題がない場合は、多くの方が

  • ジェーシービー
  • 三井住友カード
  • 三菱UFJニコス
  • アメリカン・エキスプレス

を選んでしまうので、そこで審査が通らなかった方が

  • ポケットカード

に流れる傾向があるのです。

当然、ポケットカードの申込者の信用力の平均点が下がっているのですから、前述したクレジットカード会社と比較すると審査が通りやすいのです。

また、「P-one Business MasterCard」には

法人でもキャッシングが利用できる

という珍しい特徴があります。

一般的に法人カードには、キャッシング機能はありません。

法人カードにキャッシング機能を付けるということは・・・

貸し倒れリスクは高いものの、キャッシング手数料収入が増える

ことを意味します。

収入が増えるのですから、許容できる貸し倒れリスクも大きくなり、審査が甘くなるのです。

法人カードによるキャッシングでの資金調達・資金繰りの可能性がある経営者の方におすすめできる法人カードとなっています。

審査の甘い法人カードを選ぶポイント

法人カードの特典や年会費は度外視して選ぶ

法人カードの審査が通る状態であれば

  • ポイント還元率
  • キャッシュバック率
  • 海外旅行傷害保険
  • 空港ラウンジ
  • コンシェルジュデスク
  • 年会費
    ・・・

など、様々な要素で法人カードを比較すれば良いのですが・・・

法人カードの審査が通らない状態では

法人カードを作ること

の方が重要です。

インターネットやスマホを利用した法人向けのサービスが年々増加傾向にあるため、法人カードがあることで

  • 即時決済ができて、すぐにサービスが利用できる
  • カードの明細で簡単に経理作業ができる
  • 現金でのやりとりが減り、不要なトラブルを避けられる

などのメリットがあるのです。

法人カードは、1枚しか持てないものでもありません。

まずは、1枚法人カードを作成してから、2枚目には、自分の欲しい法人カードを選んで作成すれば良いだけです。

利用実績ができてきて、会社の運営歴も長くなってくれば、自然と審査の厳しい法人カード審査にも、通るようになってきます。

前述した審査の甘い法人カードでも、法人カード審査に通らない場合の対策

対策その1.法人デビットカードを作る

法人カード(クレジットカード)は

カード支払いをしてから、1カ月~2カ月後に法人口座から利用額が引き落とされる仕組み

の決済用カードです。

1カ月~2カ月の間は、クレジットカード会社が立替ていることになるのです。クレジットカード会社が立替中に破産されてしまうと、立て替えたお金が返ってこないので「審査」が必要になるのです。

法人デビットカード(デビットカード)は

カード支払いをしたら、その場で法人口座から利用額が引き落とされる仕組み

の決済用カードです。

デビットカードの発行主体は銀行になりますが、銀行は「立替る」必要がないのです。口座残高が利用額に満たない場合は、お店の段階でカード支払いができないエラーになるのです。

「立替」がないのですから、「審査が不要」なのがデビットカードです。

法人口座に連動した国際ブランドがついた法人デビットカードであれば、法人口座が作れる方であれば、そのまま「法人デビットカード」が作れます。審査が不要な法人デビットカードは、法人カードと同じように使えるので、法人カードの代替手段となりうるのです。

注意しなければならないのは、法人の場合は「銀行の口座開設の審査もある」ということです。法人デビットカードは、決済用カードとしての審査はないものの、連動する口座開設が必要になるため、法人口座開設ができていないと発行できません。法人口座開設に関わる審査はある、また審査落ちの可能性もある、ということを理解しておきましょう。

対策その2.新規で個人向けのクレジットカード・個人口座を作る

法人の経費に関しては

  • 法人口座
  • 法人口座を引き落とし口座に設定した法人カード

で処理するのが理想ですが

会計・税法の基本は「実態に即したもの」ですから

  • 個人口座でも、法人利用のみの口座であれば問題ない
  • 個人口座を引き落とし口座に設定した個人向けクレジットカードであれば問題ない

のです。

ここで注意しなければならないのは

  • プライベートなカード利用
  • 会社の経費利用

「ごっちゃにしてはいけない」ということです。

脱税を疑われてしまうのです。

そうならないためには

  1. 新規で個人の銀行口座を開設する
  2. その個人の銀行口座を引き落とし口座に設定した個人向けのクレジットカードを作る
  3. この個人向けの銀行口座、ならびに個人向けのクレジットカードは、法人の経費利用にのみ利用する
  4. 税理士には法人の口座・カードであることを伝える

ということが必要になります。

クレジットカードおすすめ比較プロ

まとめ

法人カードの審査が厳しい理由は

法人カードの契約主体は個人でも、会社が倒産すると、合わせて経営者も自己破産することが多く、自己破産されてしまえば、クレジットカード会社が立替ていたお金も回収できず、貸し倒れ損失が発生してしまうからです。

  • サラリーマンにお金を貸すリスク
  • 会社経営者にお金を貸すリスク

の違いが、個人向けのクレジットカードと法人カードの審査の厳しさの違いとなるのです。

審査の甘い法人カードランキング

  1. 1位:ライフカードビジネスデポジット(法人カード)/ゴールドカード
  2. 2位:EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)
  3. 3位:ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)/一般カード
  4. 4位.セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード
  5. 5位.P-one Business MasterCard

前述した審査の甘い法人カードでも、法人カード審査に通らない場合の対策

  1. 対策その1.法人デビットカードを作る
  2. 対策その2.新規で個人向けのクレジットカード・個人口座を作る

上記の「審査の甘い法人カードランキング」の法人カードか、それでも審査落ちした場合は「法人デビットカード」「個人向けのクレジットカードを法人用に利用する」という方法で、ほとんどの経営者の方は、望んだ法人カードの機能を利用できるようになるはずです。

会社の運営歴やクレジットスコアを伸ばしていけば、すぐに自分の好きな法人カードを、審査を気にせずに持てるようになるので、まずは上記の方法で法人カードを手に入れて、2枚目、3枚目に自分の持ちたい法人カードの審査にチャレンジしましょう。

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