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「審査の甘い法人カードを教えてください。」
「法人カードの審査に落ちてしまいました。どうすれば良いですか?」
最近では、ビジネス向けのクラウドサービスが普及してきたため、起業間もない方、小規模な事業者でも、ビジネス向けのクラウドサービスを利用する際には、法人カードが必要になります。しかし、法人カードの審査では「業歴」が重要視されるため、起業間もない場合には法人カードの審査に通らないケースも多いのです。
この記事では、実際に、会社を10社以上保有している筆者が一番最初の会社の立上2カ月後に作ることのできた法人カードの体験談を紹介します。
法人口座ですら、なかなか作れない!?起業直後
筆者は、不動産投資、メディア運営を本業とした会社を経営しております。会社を独立して、半年ぐらいで軌道に乗ってきたため、半年経過したころから、会社を作ろうとして、2013年の10月に株式会社を設立しました。
当時は、事業内容が不動産投資やメディア運営事業ですので、事務所は必要なく、自宅で十分だったのですが、自宅は、親の所有する物件だったので、自宅の住所で法人登記するのは抵抗があり、月1万円ぐらいの「登記だけ」できる格安バーチャルオフィスで法人登記し、起業しました。
起業直後は
- ドメインやサーバーを契約するにも、
- サイトの分析ツールを契約するにも、
- バーチャルオフィスの家賃の支払をするにも、
- 不動産投資家向けのツールを利用するにも、
何かにつけて「クレジットカード決済」の機会があるので「法人カードが必要だ。」と考えました。
当然、法人カードを作るとなると、引き落としに必要な法人口座が必要になるため、「法人口座も必要だ。」と考えたのです。
当時は、法人口座と法人カードを作ったことがなかったため、個人の銀行口座と個人のクレジットカードの感覚ですから
と高をくくっていたのです、実際にはかなり苦労した経験があります。
法人口座の開設
起業直後に、まず法人口座が必要と考え、みずほ銀行、三井住友銀行、ジャパンネット銀行・・・など色々な銀行に法人口座の設立を依頼したのですが、結局すべて審査が通りませんでした。
理由としては
- 金融庁が法人口座の開設に慎重になっていたこと
- バーチャルオフィスが審査にネガティブな評価になってしまったこと
の2点です。
金融庁が法人口座の開設に慎重になっていたこと
金融庁「法人口座開設に係る取引時確認について」
当時、暴力団や詐欺業者、詐欺グループなどが「法人口座」を隠れ蓑に、振込詐欺などを展開するケースが少なくありませんでした。そのため、金融庁は、各銀行に「法人口座開設の厳格化」の指示を出したのです。
そのため、銀行側も、金融庁への報告義務があるため、面倒を避けるためにも、作業負担を減らすためにも、「法人口座は積極的に開設したくない。」というマインドになっていたのです。これは、今現在も続いています。
誰かの紹介(知り合いの会社、税理士、会計士)、個人での取引歴、などがないと審査に通さない銀行も、メガバンクを中心に多いのです。
バーチャルオフィスが審査にネガティブな評価になってしまったこと
バーチャルオフィスは、さらに暴力団や詐欺業者、詐欺グループなどが使うケースが多く、実際に事業は何をやっているのか?銀行の担当者が見に行っても実態がないことから、法人口座の開設がしにくいものだったのです。
「事務所を構えていないと法人の銀行口座が作れない」ということに今更ながら気づいたのです。
色々な銀行口座に法人口座の開設を申込んだところ、ネット銀行である「楽天銀行」の法人口座だけ作ることができました。楽天銀行に出会うまでに1カ月ぐらい時間がかかってしまい、楽天銀行の法人口座の開設までにまた1カ月かかってしまいました。今でも、楽天銀行の法人口座は、メインバンクとして重宝させていただいています。
ちなみにその後11社会社を設立するのですが、法人口座の開設は、年々厳しくなってきている印象で、親会社が7期目を迎えた筆者の子会社でも、メガバンクには法人口座の開設は断れてしまいます。
10社の子会社の法人口座の開設ができたのは、またしても、ネット銀行の「GMOあおぞらネット銀行」でした。法人口座の開設ができない方には、ネット銀行がおすすめです。
国際ブランド | VISA |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 0円 |
法人口座振込手数料 | インターネット利用時 同行宛 3万円未満 0円 同行宛 3万円以上 0円 他行宛 3万円未満 166円 他行宛 3万円以上 261円 |
法人口座の開設後にやって法人カードの作成へ
筆者の会社が、メディア事業をする上で、不動産投資をする上で、情報収集、ドメイン、サーバー、分析ツール、広告宣伝、クラウドソーシングなどで、クラウドサービスを利用することは避けて通れません。何かとクレジットカード払いが必要になります。
「銀行振込での入金」という選択しもあるのですが、「銀行振込での入金」だと、入金手続きをして、入金確認してもらって利用開始になるため、数日のタイムラグが発生してしまいます。また、毎月支払うタイプのサービスの場合、銀行振込を毎月行うのは大きな手間になってしまうのです。
「すぐにクラウドサービスを利用したい」筆者は、「どうにかして法人カードを作らないといけない。」と考えました。
起業直後でも
- インターネット広告の広告宣伝費
- ウェブサイトのドメイン費用、サーバー費用
- クラウドソーシングなどの外注費用
- 情報収集用のクラウドサービスの利用料
- 分析用のクラウドサービスの利用料
- 経理・会計ソフト
- 人事・労務ソフト
- オフィスの光熱費
- 携帯電話などの通信費
- オフィスのネット環境の通信費
- インターネットFAXの料金
・・・
挙げていけばきりがないほど、法人カードの支払いが必要な経費がたくさんあるのです。
1.JCB法人カードに申込み
はじめに申込みをしたのがJCB法人カードです。
ジェーシービーという日本の国際ブランドが信頼性が高いと感じたことと、初年度年会費無料で、次年度以降の年会費も1,375円(税込)と安く、起業直後なのでできるだけ経費を減らしたい私は、JCB法人カードを選びました。
JCB一般法人カード
【年会費特典】初年度年会費無料 |
国際ブランド | JCB |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 1,375円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 3.75% |
ポイント倍増方法 | ●JCBスターメンバーズ 100万円以上利用・翌年:50%UP ●JCB ORIGINAL SERIESパートナー スターバックス:10倍 Amazon.co.jp:3倍 ガソリンスタンド:2倍 ●海外利用 海外利用:2倍 |
【ネット新規入会+翌々月まで10万円利用】最大20,000円分のJCBギフトカードプレゼント※2023年4月1日(土)~9月30日(土)カード入会受付分まで (2023年10月31日(火)カード入会(発行)分までが対象) |
インターネットから申込んで、書類を取り寄せて、謄本などを添付して・・・それなりに手間をかけて申し込みをしましたが、結果は「審査落ち」です。
審査落ちの理由は当然教えてもらえませんでしたが
- 起業直後で事業歴がないこと
- バーチャルオフィスであること
が影響したと思っています。
今となっては、JCBは、日本唯一の国際ブランドであり、法人カードの審査も厳しいことがわかっているため、審査面では選ぶべき法人カードではありませんでしたが、当時は
と、ほぼあきらめ気味で、仕事をしていたのですが・・・
たまたま、打ち合わせで同席した取引先の方が、過去に起業経験がある方で「法人カードが作れないのですが、起業していた時は、法人カードって、どうされてました?」と聞いたのです。
と教えてくれたのです。
オリコの提供する法人カード = EX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)
と、ピンときて、EX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)に申込んだのです。
2.EX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)は無事審査通過
正直、EX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)はゴールドカードなので、一般カードのJCB法人カードに落ちた瞬間に選択肢から外していたのですが・・・
EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)
【年会費特典】初年度年会費無料 |
国際ブランド | Visa,Mastercard® |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 2,200円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 1.10% |
ポイント倍増方法 | ●クラステージ 200万円利用・翌年:2倍 ●法人カード 翌年:+20% |
- |
実際に申し込んでみると、何事もないようにすんなり審査に通りました。
ゴールドカードのスペックの割に
- 年会費は初年度年会費無料で、次年度も2000円程度と格安
- 限度額も、100万円と高額(現在は、200万円に増額)
- 2名以上のコース料理の利用で1名分が無料というレストラン優待がある(Mastercardのみ、筆者はVisaを作ったので使っていません。)
使い勝手の良い法人カードだったため、渡りに船と言ったところです。
実際にEX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)を作って、7年が経過しましたが、未だにEX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)を使っています。
1年経過したあたりで、googleのインターネット広告を100万円程度利用するようになり、限度額が足らない状態に陥ってしまったのですが、限度額を100万円から200万円に増額していただきました。
事業も順調に来ているので、今ではセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードも保有しています。こちれはコンシェルジュデスクや、海外出張などに重宝しています。
しかし、どこも審査が通らない中、審査を通してくれたEX Gold for Biz M(エグゼクティブゴールドフォービズ エム)には非常に愛着があり、今でもほとんどの経費にメインカードとして利用しています。
「起業直後で法人カードが作れない」とあきらめている方にも、探せば起業直後でも作れる法人カードがあるということを知っていただきたいですね。
3.その後、いろいろな法人カードを申し込んでわかった審査の甘い法人カード
筆者は、執筆時点で
- 事業歴:7年
- 保有法人:11社
- 保有法人カード:50枚
と、数多くの法人カードを作ってきました。
作ってきた法人カードの中で、審査に通りやすいと思った法人カードとその理由
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
【年会費特典】初年度年会費無料 |
国際ブランド | AMEX(アメックス) |
初年度年会費(税込) | 36,300円 |
2年目~年会費(税込) | 36,300円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 5.00% |
ポイント倍増方法 | ●ボーナスポイント・パートナーズ 高島屋オンラインストア :2倍 じゃらん :2倍 Oisix (おいしっくす) :2倍 アイシティ:3倍 イモトのWiFi :5倍 レストラン・ホテル:2倍~10倍 ●メンバーシップ・リワード・プラス ポイント交換レート:2倍 |
【入会後1年以内カード利用】30,000ポイント※200万円以上のカード利用 |
審査が甘い理由
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの基本方針は
- 年会費が高く、年会費収益が大きいため、とりあえず誰にでも法人カードを発行してくれる
- その中で、初回の限度額を30万~50万と少額に設定し、半年後利用状況に応じて限度額を引き上げる
というものです。
多少の貸し倒れが起きても、年会費収益でカバーできるため、このような戦略を取っているのです。意外にも、外資系の法人カードは、審査が甘く、作りやすい傾向にあります。
国際ブランド | Visa,Mastercard®,JCB |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 0円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.00% |
ポイント還元率/上限 | 0.50% |
ポイント倍増方法 | - |
- |
審査が甘い理由
ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)/一般カードは
- 年会費永年無料
- ポイント還元率:0.5%
と、クレジットカード会社側から見ると、年会費収益もありませんが、ポイント還元によるお得も少ない法人カードです。
しかも、ウェブサイト上には
- 審査書類不要
- スタートアップ企業・フリーランスの方にも
と書かれているように、起業直後の方や、事業歴の少ない方、小規模事業者がターゲットになっている法人カードなのです。
当然、審査も通りやすく、作りやすい法人カードとなっています。
国際ブランド | AMEX(アメックス) |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 0円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 2.00% |
ポイント倍増方法 | ●海外利用 海外利用:2倍 ●コバルト限定加盟店 ヤフービジネスサービスやクラウドワークス、AMAZON WEB SERVICEなど:4倍 |
【新規入会+利用】最大1,600ポイント(8,000円相当)※こちらのページからアクセスしたクレディセゾン公式ページに記載のないキャンペーンは対象外となります。あらかじめご了承ください。 |
審査が甘い理由
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは
- クレディセゾンの提携カード = 提携カードは、プロパーカードよりも審査が甘い
- 決算書不要・謄本不要 = 業績の審査がほぼない
- 新しい法人カード = 会員獲得に積極的
という特徴のある一般カードレベルの法人カードです。
元々、審査の甘いクレディセゾンが「決算書不要・謄本不要」という形で「作りやすい法人カード」を新しく作ったのです。
副業、フリーランス、起業・独立が増えてきた今の時代に合わせた、審査の通りやすい法人カードになっています。
法人カード審査に通るポイント
最近では
- 起業する人が増えている
- 副業をする人が増えている
- ビジネス向けのクラウドサービスの市場が拡大している
という背景に押されるように、審査の甘い法人カードが増えてきています。
体感では、法人カードの審査の方が、法人口座の審査よりも、甘い印象があるぐらいです。
法人カードによって、審査基準は異なるので、あきらめずに複数の法人カードに申し込めば、必ず一枚は法人カードを発行することができます。
また、業歴が積みあがることで、さらに審査に通りやすくなります。
一度、審査に落ちたJCB法人カードも、半年後に発行することができました。
あきらめずに申込続けることが重要です。
どうしても、法人カードの審査に通らない方の場合は、審査の不要な法人デビットカードを検討しましょう。