法人カードでの経費利用時の仕訳方法・会計処理を解説。勘定科目は?ポイントは?

法人カードを会社経費で利用した場合、または個人のクレジットカードを会社経費で利用した場合の仕訳方法・会計処理について解説します。

会計処理の前にクレジットカードの仕組みをおさらい

  1. カード支払い
  2. 月末締め(利用額の確定)
  3. 翌月末登録口座から引き落とし(法人カードなら法人口座)

というような流れが一般的です。締日や引き落とし日はクレジットカード会社によって異なり、月末締め・月末引き落としでないことも多いです。

ただし、だいたい1ヶ月~2ヶ月のスパンで引き落としが発生します。

法人カードによる経費支払い

法人カード(法人口座を引き落とし口座設定しているもの)を利用してAmazon.co.jpで事業に利用する3,000円の書籍を購入したケース

利用する勘定科目:「未払金」

未払金は1年以内に支払われる未払いの債務のことを言います。主たる営業取引ではない単発の取引で利用される勘定科目なので、クレジットカードの支払いで「未払金」が利用されるのです。

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(購入日) 新聞図書費 3,000 未払金 3,000

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(引き落とし日) 未払金 3,000 普通預金 3,000

購入したタイミングではまだ支払いが発生していないので「未払金」が貸方金額に発生します。カード会社からの引き落としがされたタイミングで「未払金」が解消する代わりに、普通預金の口座残高が減ることになるので上記のような仕訳になるのです。

例外の仕訳処理

例外その1.商品がまだ納品されない場合

購入した商品がまだ納品されていないという場合には「前払金」で処理します。

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(購入日) 前払金 3,000 未払金 3,000

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(納品日) 消耗品費 3,000 前払金 3,000

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(引き落とし日) 未払金 3,000 普通預金 3,000

 

例外その2.分割払いの場合

分割払いである場合も、未払い金がなくなるまで続くだけです。2回払いのときはこうなります。

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(納品日) 消耗品費 3,000 未払金 3,000

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(引き落とし日1回目) 未払金 1,500 普通預金 1,500

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(引き落とし日2回目) 未払金 1,500 普通預金 1,500

リボ払いや2回以上の分割払いの場合は、支払い利息が発生しますが仕訳の方法は変わりません。利息は基本的には「支払利息」or「支払手数料」という勘定科目を利用します。

例外その3.商品の仕入れで購入した場合

「未払金」は主たる営業取引ではないものをクレジットカードで購入した場合の勘定科目です。商品の仕入れは販売目的であり、主たる営業取引に該当するため「買掛金」になります。

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(購入日) 前払金 3,000 買掛金 3,000

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(納品日) 仕入高 3,000 前払金 3,000

 

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(引き落とし日) 買掛金 3,000 普通預金 3,000

個人のクレジットカードによる経費支払い

個人のクレジットカード(個人口座を引き落とし口座設定しているもの)を利用してAmazon.co.jpで事業に利用する3,000円の書籍を購入したケース

  • 利用する勘定科目:「事業主借」

個人用のお金から事業用の支出をした際に使用する勘定科目です。

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(購入日) 新聞図書費 3,000 事業主借 3,000

「事業主借」の場合は、個人のクレジットカードなのでいつ引き落とされようとも関係がありません。「個人の資金で事業性のモノを買いましたよ。」ということだけなので、それ以降の個人の口座からお金がどうなろうと関係ないのです。

シンプルな仕訳となります。

法人カードのポイントの仕訳はどうなるの?

厳密にいえば法人カードのポイントは「雑収入」となります。

ポイント全額払いで書籍を購入したときの仕訳は下記になります。

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
(購入日) 新聞図書費 3,000 雑収入 3,000

ただし、現時点では「ポイント処理は税務上の取り決めが明記されていない。」のが現状です。

そのため、法人カードで貯めたポイントをプライベートで利用したからと言って、税務署に指摘されるか?というとその可能性は現時点では限りなく低いようです。ポイントといっても、数千円、数万円の単位なので税務署もそこに目が向かないというのが実情でしょう。

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まとめ 

気になる方は税理士に相談の上、会社の方針を決定することをおすすめします。

ちなみに筆者は法人カードで貯めたポイントはプライベートにも使ってしまっています。税務上の取り扱いが確定した段階でそれに合わせようと考えております。