公的年金の中でも、国民年金や厚生年金については特に大多数の人が将来受給することになります。現在は年金保険料を納めているものの、実際にはいくら受給できるのか気になるものです。ここでは国民年金および厚生年金の年金受給額について解説していきます。

 


 

年金保険料および年金受給額とは

日本ではほとんどの人は国民年金または厚生年金のいずれかに加入します。20歳になる直前に日本年金機構から国民年金加入のための書類が送付され、必要事項を書いて返送すると後日年金手帳が発行されます。国民年金に加入後は、国民年金保険料を納める必要があります。国民年金保険料の金額は全加入者一律で定められており、物価変動率や実質賃金変動率に合わせて毎年金額が調整されます。

厚生年金は企業に勤めている人が加入します。自営業や農業、従業員が5人未満の企業の場合は国民年金への加入となります。国民年金は保険料の全額を自分で納める必要がありますが、厚生年金保険料は勤務先企業と折半になりますので自分で支払う額は実質半額となり、給与から天引きされる形で納付します。現在、厚生年金保険料は給与と賞与額の9.15%に設定されているため、納付額は個人ごとに異なります。なお、20歳未満であっても企業に勤めている場合は厚生年金の加入者となることがあります。会社を退職した場合は国民年金に切り替えて加入することが原則です。

年金受給額は、国民年金は加入期間、厚生年金は加入期間に加えて加入期間中の給与の平均額によって受給金額が異なります。国民年金は基礎年金として受給することになり、厚生年金は基礎年金+厚生年金を受給します。つまり、厚生年金に加入している場合は同時に国民年金にも加入しているということです。したがって、厚生年金に加入していると国民年金のみに加入していた場合よりも基本的に受給額は多くなります。

スポンサーリンク

 

年金受給額の早見表

それでは実際の年金受給額がどれくらいになるのでしょうか。インターネットで検索すると年金受給額の早見表を掲載しているサイトがたくさん出てきます。先に述べたように、年金受給額は保険料を納めていた期間や金額によって異なりますので、実際の受給額は早見表に掲載されている金額とは異なります。あくまで参考であることを認識しておく必要があります。また、国民年金の場合、保険料の納付が難しくなって納付免除や納付額の減免等の期間がある場合は、受給額は通常よりも低くなります。

ここでは早見表のうち一例をご紹介します。例えば20歳から60歳まで40年間国民年金に加入し、保険料納付の免除や減免をせずに納め続けた場合、年金受給額は満額の77万9300円(平成30年度)を受け取ることができます。同様に、20歳から60歳まで厚生年金に加入しており、平均給与が月額30万円の場合は年金受給額は約83万円程度になります。平均給与がもっと高い場合や賞与があった場合は、受給額はより多くなります。また、厚生年金加入者は国民年金加入者でもありますので、これに加えて国民年金(基礎年金)も受給することができます。

 

年金受給中の収入制限額について

国民年金や厚生年金を受給中であっても、70歳未満で厚生年金保健が適用されている事業所に勤めている場合(短期間労働は除く)は、厚生年金に加入する必要があります。

60歳以上65歳未満で厚生年金に加入しながら年金を受給する場合、「基本月額」と「総報酬月額相当額」に応じて年金受給が一部停止または全部停止となる場合があります。基本月額とは、年金受給額(月額)を12で割った金額です。共済組合からの老齢年金も受給している場合は、これも合わせた額を12で割ります。総報酬月額相当額は現在の勤務先からの毎月の給与額と、1年間の賞与を12で割った金額の合計です。このように算出した基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超えない場合は、年金受給が停止されることはありません。28万円を超える場合は、それぞれの金額によって年金受給額が一部停止または全部停止となります。

65歳以上の場合は基本月額と総報酬月額相当額の合計が46万円以下であれば年金受給額が停止されることはありません。


 

年金受給額の計算シュミレーション

年金受給額の早見表ではおおよその受給額を確認することができますが、より具体的にシミュレーションしたい場合は「ねんきんネット」の年金見込額試算サービスの利用がおすすめです。ねんきんネットとは日本年金機構が提供しているインターネット上のサービスで、IDを取得してログインすればこれまでの納付記録や年金受給額のシミュレーション等を行うことができます。年金に関する情報を掲載している他のサイトでもシミュレーションツールを設置していることがありますが、ねんきんネットの場合は実際の自分の納付状況等を確認しながら計算できるため、より実際の受給額に近い金額の算出が期待できます。また、試算条件を保存しておくことも可能で、試算条件の違いによる受給額の差をグラフで比較することもできます。

なお、ねんきんネットへの登録には基礎年金番号が必要です。基礎年金番号は年金手帳や年金保険料の納付書に記載されています。また、通常は登録後にIDが郵送されるまでに日数がかかりますが、「アクセスキー」を入力することで即日IDを発行することができます。アクセスキーは定期的にハガキで届く「ねんきん定期便」に記載されています。

 

まとめ

現役世代、特に20代~30代の若い世代は、年金保険料を納めても将来ちゃんと年金が受け取れるか不安に感じる場合もあるでしょう。しかし、年金制度のしくみを知っておき、将来いくら受け取れるのかおおよその金額を知っておくことは、将来設計のための一つの判断材料になるはずです。今が将来にどうつながるのか、しっかり理解しておくことが大切です。