生活をしていると、突然の病気や怪我に見舞われたり、急に勤め先が倒産してしまうなどの思わぬピンチはどうしてもついて回ってくるものです。そして、そうしたピンチにこそ重要になってくるのが、いわゆる社会保険と言われるシステムです。しかし、一口に社会保険と言っても日本のシステムはかなり複雑で、加入条件などにも差があるため、うっかり入り忘れてしまったり、金額の計算方法をどうすれば良いのかが分からなかったりといった事態に見舞われがちです。様々な「まさか」に陥る前に知っておくべき基礎知識を、ここでは紹介していこうと思います。


 

病気になった時のために入っておきたい医療保険

多くの人にとって、もっとも身近な社会保険が、この医療保険ということになろうかと思います。風邪を引いたり、怪我をした場合などに保険証を病院の窓口で提出したりもしますが、あの保険証も立派な社会保険の一つと言えます。基本的に日本は「皆保険制度」と呼ばれる仕組みが成立しており、生活保護者など、一部の例外を除けば、規則的には保険に加入するように定められています。

具体的には、被雇用者が入ることができる健康保険と、それ以外の立場の方が加入することになっている社会保険に分けられており、必要となってくる保険料などの条件にも細かな差があります。一般に、職場や職業ごとに定められた健康保険の方が必要となる保険料が高めで、その分サービスも充実しているとされています。これは、ある職業に加入者を限定することで、その収入や労働条件などが限定されていることと無縁ではないとも考えられています。

ただ、いずれにしても医療保険は病気や怪我などの際にかなりの部分の医療費を免除してもらうために必要性が高く、もし失効してしまっていると、受診などの際にかなりの問題が生じることになることは間違いないでしょう。支払いが面倒だからと言って、保険料を未納にしてしまうのは絶対に避けるべきだと思います。


 

失業した時の強い味方! 雇用保険

終身雇用制度の崩壊が叫ばれる昨今、前触れもないのに会社を辞めさせられてしまうといったことも残念ながら多くなってしまいました。そうした際に役に立ってくれるのが雇用保険です。失業してしまった人の生活を一定期間保証してくれる仕組みであり、雇用する企業側は加入と支払いが義務付けられていますので、多くの人が特に意識せずとも、失業保険などの恩恵を受けられることになっていますが、例外規定がいくつかあることには注意しておく必要があります。

まず、雇用保険に被雇用者を加入させる義務があるのは企業などの法人であり、一定の条件を満たした個人事業者(自営業のお店)などには加入させる義務はありません。もちろん、義務はなくても自発的に加入しているところも少なくありませんが、店主との不和や経営難など様々な理由で仕事を辞めた際、何の保証もなしに放り出される人も少なくありません。

また、働く側としても、週の労働時間が二十時間未満だったりした場合は、そもそも一般的な雇用保険に加入する資格が得られないことがあり、この点も働く前にしっかりチェックしておくのがベターです。とは言え、短期労働者や日雇労働者向けの雇用保険もありますので、雇う側が会社などの法人だったのであれば、まず何らかの保険に加入できる可能性が非常に高いと言えるでしょう。

スポンサーリンク

 

老後の備え、だけとは限らない 年金保険

また、いわゆる「年金」のように、一定以上の年齢に達することで、保険金を支給して貰えるシステムも、立派な社会保険の一つです。具体的には、国民誰でも加入する資格を持ち得る国民年金と、民間の被雇用者を主に対象とした厚生年金、公務員などの人を対象とした共済年金といった枠組みがありますが、いずれも、年齢を重ねた人に支払う老齢年金だけではなく、亡くなった加入者の遺族に支払う遺族年金としての役割や、障害を持っている人に対する障害年金の役割を担っているのも特徴です。

そのため、原則としては一定の年齢に達しないと給付が得られないことになっていますが、条件が合えばその年齢のラインよりも若くても給付を得ることができるという特徴があります。そして、その「条件」に合致する状況というのは、突然の怪我や病気で働くのが難しくなった、あるいは家族を亡くしてしまい、生活が難しくなったというような、本当に厳しいケースだと言えます。

もちろん生活保護などのシステムもありますが、生活保護の受給基準もまた厳しい現実がある以上、何とかして年金による生活保障は得ていきたいと言えるわけですが、まだ若いからと言って未納の期間があったりすると、その基準から漏れてしまうこともあるため、忘れずに年金を支払っておくことが「もしも」に活きるという側面は確かにあります。少なくともシステム上、年金を払うのは老後のためだけではない、というのはたしかでしょう。

まとめ

以上のように、様々な社会保険は営利が目的ではなく、活用することで生活上のピンチを脱出できるかも知れない頼もしいものだと言えます。ただ、加入条件などが難しかったりもするので、実際に受ける際には、自分だけで申請するのではなく、事前に社会保険労務士さんなどのプロの助けを得ていくのも重要になってくるでしょう。