最近はフリーランスで働く人や、サラリーマンでもクラウドなどを利用して副業をする人が増加しています。個人で働く場合も相手が企業が多いことから、契約書の作成が必要となります。契約書自体は企業のひな形があるため、用意する必要はありませんが、収入印紙を貼付しなければならないケースがあります。


 

業務委託

フリーランスで働く場合は、業務委託が一般的になっています。業務委託というのは、企業と企業、企業と個人が対等な関係で契約を結び、業務を委託するものです。業務委託契約を結ぶ場合は、書面で業務委託契約書を交わすことになり、契約内容によっては収入印紙の貼付が必要です。

収入印紙とは、租税や手数料その他の収納金の徴収のために政府が発行する証票のことであり、契約書に貼付することで印紙税を納めます。


 

印紙税法

印紙税法では、印紙税を納める必要のある20種類の文書が定められています。業務委託契約書の中で課税文書に該当するのは、第2号文書の「請負に関する契約書」、第7号文書の「継続的取引の基本となる契約書」、第17号1の「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」です。

1.第2号文書

印紙税の納付を義務付けられている第2号文書というのは、業務委託契約の中で「請負契約」に該当する契約書です。請負契約とは、成果物の完成を目的とするもので、成果物に対して報酬を受取ります。

一方、業務委託契約でも、「委任契約」の契約書は印紙税法で定められた20種類の課税文書に含まれておらず、従って収入印紙の貼付は不要です。委任契約というのは、一定の事務処理などの業務を遂行することが目的であり、成果物の完成は求められていません。

なお、委任契約には委任契約と準委任契約があり、委任契約は法律行為に関して委任する契約を指し、準委任契約は法律行為以外の事務処理等を委任する契約になります。

2.第2号文書の印紙税の金額

請負契約書の印紙税額は、契約書に記載されている金額によって以下などになります。なお、1万円以下の場合は非課税となり、金額の記載がない場合は200円です。

・1万円以上100万円以下:200円

・100万円超200万円以下:400円

・200万円超300万円以下:1,000円

最大は50億円を超えた場合の60万円です。

3.第7号文書

第7号文書は継続的取引の基本となる契約書ですが、以下の5つの要件があります。

1)契約期間の定めが無い、若しくは契約期間が3ヶ月を超える、または更新の定めがある。

2)営業者間の取引である。

3)売買や売買の委託、運送や運送取扱い、請負のいずれかの契約である。

4)2回以上の継続取引の予定がある。

5)契約の目的物の種類や数量、単価、支払方法、債務不履行における損害賠償の方法、再販売価格のいずれか1つ以上を定めている。

4.第7号文書の印紙税の金額

第7号文書の印紙税には契約金額による違いはなく、一律で4,000円です。なお、請負契約でも継続的取引によって第2号文書と第7号文書の双方に該当する場合は、税額の高い方が適用されます。


 

割印

印紙税法では収入印紙の再利用を防ぐため、課税文書に貼付した印紙には消印をすることが義務付けられています。消印の方法は契約者などの印鑑による割印が一般的ですが、役職名の記入されたゴム印でも問題ありません。

また、署名でも構いませんが、署名の場合は鉛筆など、修正が可能なものは認められません。割印をする時は、貼付した印紙と契約書の両方にまたがるように押印します。

 

収入印紙を貼付していない場合の罰則

印紙税法で課税文書とされている業務委託契約書に、収入印紙を貼付していなかったとしても、契約自体が無効になるわけではありません。

ただし、収入印紙を貼付しなかった場合には、印紙税の他に過怠税を徴収されます。過怠税は印紙税の金額の2倍であり、印紙税と合わせて3倍の金額を納付しなければなりません。なお、納付していないことを自主的に申告した場合は、過怠税が減額され、印紙税の1.1倍になります。

 

収入印紙の負担

印紙税を納付する義務者に関しては、契約者が連帯して納める義務を負うと規定されています。つまり、連帯義務であるだけのため、片方が支払っても折半しても良いということです。ただ、折半が商習慣になっています。契約書は発注者用と受注者用で2通作成するのが一般的なため、1通分ずつ負担します。

ちなみに、印紙税の節税のため、契約書の正本は1通のみを作成し、契約者の一方が正本を保有し、もう一方が写しを保有するという方法を採ることもあります。

 

まとめ

業務委託契約書の内、請負契約書は課税文書のため、収入印紙の貼付が必要となり、委任契約書は収入印紙が要りません。なお、個人同士の契約で契約書を独自で作成する場合は、ネット上に無料のひな形が多数あります。

ちなみに、印紙税法では、プロ野球選手やプロボクサー、俳優、演出家、歌手などが役務を提供する契約も、請負契約としています。